エアコンにはさまざまな種類がありますが、一般家庭に多く普及しているのが「壁掛け型エアコン」と呼ばれるタイプのものです。
壁掛け型エアコンは大半の家庭で使用されており、家電量販店では多くの機種が取り扱われています。
壁掛け型エアコンは部屋の窓側の壁上部に取り付けることができ、インテリアに馴染みやすいデザインが多いので、生活スペースを圧迫しません。
エアコンの種類は、壁掛け型エアコンのほかにも天井にはめ込むタイプや窓際に置くだけで設置できるものもあります。冷暖房の効率性や設置場所を考慮して、どのエアコンを設置するか選択できます。
この記事では、エアコンの種類の紹介や選び方、お手入れ方法を解説します。
目次
エアコンにはどんな種類がある?
エアコンは、設置する場所や用途に応じてさまざまな機種が販売されています。
代表的なエアコンの機種について解説していきます。
壁掛け型エアコン
一般的な家庭で広く使われている壁掛け型エアコンは、室内機と室外機がセットになっています。
壁掛け型エアコンは種類が豊富で、メーカーごとにさまざまな機種を販売しているため、設置する部屋の広さに合わせた容量のものが選べます。
ひとつの機種でも搭載されている機能によってグレードが異なっており、予算や好みに合わせて選ぶことが可能です。
お掃除機能や加湿・除湿などさまざまな機能を搭載したハイスペックモデルや、必要最低限の機能を備えたスタンダードモデルなどに分かれています。
また、壁掛け型エアコンの色はホワイトが主流ですが、木目調やレッド・ブルーなどデザイン性の高い機種もあります。
天井埋め込み型エアコン
天井埋め込み型エアコンは、天井を開口して空調機器を埋め込むタイプのエアコンです。
天井に埋め込まれているため、スッキリとした見た目をしています。
天井の上に配管をはわせて室外機と繋ぐので、壁から離れた位置に設置することが可能です。
天井埋め込み型エアコンの吹き出し口は、1方向のほかに2方向や4方向のものがあります。
効率的に風を分散でき、強風設定にしなくてもムラなく室内の隅々まで行き渡らせることができるのが特徴です。
床置き型エアコン
天井が高い部屋や空間が広い部屋で足元をしっかりあたためたい場合、床に直置きするタイプの床置きエアコンを使うという方法もあります。
床置きエアコンの設置方法は2通りあり、室内機と室外機をつなぐ配管を壁に穴を開けて通す方法と、床に穴を開けて通す方法があります。
床に設置してあるため壁掛け型エアコンよりも手が届きやすく、比較的メンテナンスがしやすいです。
ただ、床置きエアコンは床の面積を取ってしまうので、例えばカウンターの下といった、邪魔にならない場所に設置するなど設置場所に工夫が必要となるでしょう。
窓用エアコン
窓用エアコンは、窓際に設置するコンパクトなエアコンです。室内機と室外機が一体になっているため、配管工事の必要がなく手軽に使用することができます。
壁に穴を開けられない部屋や室外機を設置するスペースがないため壁掛け型エアコンが設置できないという部屋でも、窓があるなら使用することができます。
窓用エアコンは、窓の左右どちらにでも設置可能で、自分でも簡単に取り付けが可能なので特別な工事は必要ありません。
ただ、窓用エアコンは窓の大きさに対応している機種を選ぶ必要があり、畳数が6〜8畳までは対応していますが、それ以上広い部屋には対応していません。
窓を開けて使う必要があり、エアコンの運転中は施錠ができないため補助錠などの防犯対策も必要です。
家庭用にはどのエアコンがいい?
どのようなエアコンを購入するかは、設置したい場所の畳数に合わせて選ぶことがポイントです。エアコンの種類によって設置方法が異なるため、事前に設置可能であるか確かめる必要があります。
壁掛け型エアコンは床のスペースが空くので、多くの家庭で一般的に使用されています。需要が高いので種類が豊富で、メーカーによって機能や特徴が異なります。
選択肢の幅が広いため、自分にとって使いやすいエアコンを見つけることもできるでしょう。
エアコンはさまざまな種類がありますが、「室外機を置くスペースがない」「壁から離した場所に室内機を設置しなければならない」など特別な理由がない限り、省エネ性が高い壁掛け型エアコンがおすすめです。
壁掛け型エアコンの特徴
多くの家庭で使用される壁掛け型エアコンには、さまざまな特徴やメリットがあります。
部屋全体を均一な温度にできる
壁掛け型エアコンは、木造または鉄筋構造を考慮して畳数に合った機種を選べば、部屋全体を均一な温度にできます。風を遠くまで送れる送風ファンが搭載されているため、エアコンから放出される風を遠くまで届けることが可能です。
機種によっては、環境や部屋にいる人数に合わせて強運転や弱運転を繰り返し、効率的に快適な室温に保つ機能が備わっています。
機種が豊富で選択肢が多い
壁掛け型エアコンは室内を暖めたり冷やしたりするだけでなく、機種によってはさまざまな機能が搭載されています。
室内が乾燥すると自動的に加湿してくれ、運転中に換気してくれる機種もあります。
「お掃除機能」がついた機種は自動的にフィルタ―掃除をしてくれます。壁掛け型のエアコンは、快適に使用するため、2週間に一度はフィルターの掃除をすることが推奨されています。お掃除機能が付いているエアコンなら、フィルターをこまめに掃除する必要がありません。
ほかにも、フィルターが取り外しやすいように工夫された機種や、風の通り道となるため汚れが溜まりやすい吹き出し口が簡単に掃除できるように設計した機種もあります。
さらに、汚れが付きにくいようエアコン内部に防カビ性能のあるコーティングを施した機種もあり選択肢が豊富です。
お手入れが簡単
壁掛け型エアコンは、お手入れがしやすいように簡単にフィルターが外れる構造になっています。壁掛け型エアコンのお手入れは高い場所での作業になりますが、天井埋め込みエアコンに比べるとお手入れが簡単です。
また、お掃除機能付きのエアコンならフィルターに付着したホコリや汚れを自動で掃除してくれます。
お掃除ロボットによって取り除かれたホコリや汚れは、エアコン内のダストボックスに保管されます。
ダストボックスに溜まったホコリを定期的に取り除く必要はありますが、掃除の頻度を減らすことが可能です。
機種によっては、10年分のホコリと汚れが保管できる機種もあります。
壁掛け型エアコンのお手入れ方法
エアコンは、室内の空気を取り込み排出させる仕組みなため、どの機種でも使っていくうちに汚れが蓄積されます。
エアコンに付着してしまった汚れをそのままにしておくと、カビが発生してしまったり、汚れのせいで効率的に運転しなくなることもあるため、定期的なお手入れが必要です。
一般家庭で行いやすい壁掛け型エアコンのお手入れ方法を解説します。
エアコン掃除に必要なもの
こちらの道具を使っての掃除方法をご紹介します。
- 掃除機
- 雑巾(乾拭き用、水拭き用)
- 新聞紙など
- 割り箸とキッチンペーパー(必要に応じて)
エアコンを掃除する手順
1.掃除まえの準備
まずはエアコンの電源を切りコンセントを抜きましょう。
エアコンは高圧電力を使用しているため、作業中に電源に触れると感電してしまう恐れがあります。
また、作業中に誤ってエアコンが作動してしまうと部品を破損させてしまう恐れもあるので注意が必要です。
壁掛け型エアコンは壁の上部に取り付けてあるので、脚立などを利用して安全を確保してから作業しましょう。
2.フィルターを外す前に掃除機でホコリを吸い取る
前面パネルを開けると正面に見えるのがフィルターです。取りはずす際にホコリが室内に舞ってしまわないように、フィルタ―を外す前に掃除機で軽く表面のホコリを吸い取ります。
前面カバーの開け方は、エアコンの機種によって開け方が異なりますが、ほとんどの機種は前面パネルの下側面にある出っ張りを手前に引き上げると簡単に開けられるでしょう。
前面カバーがうまく外れなくても、無理に引っ張らないように気をつけてください。カバーが外れ落下することもあるので注意が必要です。
3.フィルターを外し掃除機でホコリを吸い取る
フィルターを取り外したら、床が汚れないようにフィルターを新聞紙などの上に置きましょう。そしてフィルターが目詰まりしないように、表側から再度掃除機でホコリを吸います。
フィルターの裏と表のは区別がつきにくいですが、反っている側が表側になります。
4.フィルターを水洗いする
フィルターのホコリや汚れが掃除機では取りきれない場合には、風呂場などで優しく水洗いしてください。洗いながすときに目詰まりを防ぐために、フィルターの裏側から水をかけましょう。
フィルターの汚れがひどく水洗いだけでは落ちそうにない場合は、中性洗剤を水で薄めて、泡立てて優しく洗い流しましょう。
フィルターを傷つけないように、やわらかいスポンジやブラシを使用して丁寧に洗浄してください。
5.フィルターを乾燥させる
フィルターが洗い終わったら、乾いたタオルなどでやさしく水分を拭き取り、日陰に置いておくか、洗濯干しなどを利用して干しましょう。
フィルターに水分が残ったままだとカビが発生する原因になるため、しっかりと乾かしましょう。
6.見える範囲のみ雑巾で拭き取る
エアコンの前面のカバーや吹き出し口・風向きルーバーなど、目で見える範囲についているホコリや汚れは水拭きをします。
ルーバーは、多少動かせますが無理に動かすと電装部分を損傷してしまう場合があるので注意しましょう。
エアコンの吹き出し口やルーバーは、空気の通り道となるため汚れが蓄積されやすい部品です。雑巾で掃除しにくい部分は、お掃除棒での掃除することもおすすめです。
お掃除棒は100円均一などのお店でも購入できますが、割り箸にキッチンペーパーを巻き輪ゴムで固定するだけで簡単に作れます。
7.フィルターを元の位置にセットする
しっかりと乾燥させたフィルターを、もとの位置にセットすれば完了です。
エアコン内部の掃除はプロに依頼しよう
エアコン内部の汚れが気になっても、カバーやフィルター・吹き出し口などの目で見える範囲のみ掃除しましょう。エアコン内部は複雑な構造となっているため、専門的な知識と技術がない方が掃除すると破損させたり故障の原因をつくってしまったりすることもあります。
ですがエアコン内部は汚れが蓄積されやすいため、長期間掃除していないエアコンではカビが増殖している場合もあります。エアコンの知識と掃除の技術を持ったプロに依頼することがおすすめです。
一年に一回は、エアコン掃除のプロに依頼してエアコンの内部を綺麗にしてもらいましょう。