エアコンの構造をわかりやすく紹介!冷房・暖房の仕組みについて

エアコンの構造をわかりやすく紹介!冷房・暖房の仕組みについて

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「エアコンから出る風は、どうやって冷されたり暖められたりしているの?」

「エアコンには室内機と室外機があるけれど、それぞれどんな働きをしているの?」

と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

空気を循環させるためのサーキュレーターと違い、エアコンは温度が調節できる仕組みになっています。1年中快適に過ごすために除湿や空気清浄機の機能などが備わっている機種もあります。

この記事では、エアコンの構造や仕組みをわかりやすく紹介していきます。

エアコンの構造はどうなっている?

エアコンは、室内機だけで部屋の室温を調節しているわけではありません。室内機と室外機がセットになってはじめて空気の温度調節ができます。

「室外機と室内機は、どうやって室内の空気の温度を調節しているの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

エアコンの内部には複雑なパーツが組み込まれており、さまざまなはたらきをしています。

ここでは、エアコンの構造や室内機・室外機の役割などを詳しく解説していきます。

室内機の構造と役割

エアコンの室内機には、空気を取り込み送り出すファン、空気の温度を調節する熱交換器などの部品があり、エアコンによってはフィルターの汚れを自動で掃除するロボットを搭載しています。

こういったエアコン室内機の代表的なパーツの機能や役割について紹介します。

フィルター

フィルターは、室内機の前面カバーを開けると正面に見える網目状になっているパネル型の部品です。

室内の空気を取り込む際にエアコン内部にホコリや汚れが侵入するのを防ぐ役割があります。ホコリや汚れがエアコンの内部に侵入すると、カビが増殖してしまったり、効率的に稼働できず余計に電力を消費したりすることもあるため、フィルターはエアコンが正常に稼働するために欠かせない部品です。

風向きルーバー

風向きルーバーは室内機の吹き出し口にある多数の細長い形状をしている板状の部品のことです。

左右や上下に動いて、室内機から放出される風を効率よく室内に行き渡らせています。

また、風向きルーバーはエアコンの快適性を上げるための役割もしており、エアコンの風が直接体に当たらないように調節できるものもあります。

送風ファン

送風ファンは、風向きルーバーの部分からエアコン内部を覗くと見える円筒状の部品です。送風ファンが室内の空気を取り込み、温度調節された空気を室内に向けて放出します。

細長い羽根が水平に配置された形をしていて、、高速で回転して空気の流れを作り大量の風を送り出すことが可能なため、効率よく空気を循環できます。

熱交換器

室内機のフィルターを外すと見える、薄いアルミの板が並んでいる部品が熱交換器と呼ばれています。

熱交換器は、薄いアルミの板部分を冷媒ガスによって高温・低温にすることでエアコン内部に取り込まれた空気の温度を調節します。

アルミの板部分は、広げて並べると畳7畳分にもなる機種や、アルミの板の表面に凹凸をつけている機種もあります。それらはエアコンの消費電力を抑えてアルミの板部分の表面積を広くし、空気に効率よく熱を伝えるための工夫です。

ドレンパン

冷房や除湿運転では、熱交換器によって空気中の水分も冷やされます。

空気中の水分は、冷されたことにより水滴に変わり、エアコン内部で結露します。

氷の入ったガラスのコップの表面に水滴がついたり、寒い日の窓ガラスが曇ったりする現象と同じ仕組みです。

エアコン内部で発生した結露水は、熱交換器の下にあるドレンパンで受け止められ室外に排出されます。

室外機の構造と役割

エアコンの室外機と室内機は、配管を通じて繋がっており、この配管内を流れる冷媒ガスが熱を運ぶ重要な役割を果たしています。このシステムにより、両機器は密接に連携し、室内の温度調節を行います。

室内機は、空気中の熱を冷媒ガスに吸収させて室外機へと運びます。室外機では、この熱を外に放出することで、空気を冷やしたり暖めたりします。具体的には、熱を放出して冷却し、また熱を吸収して加熱することで、温度を調節します。

冷媒ガスは、圧縮されると高温に、減圧されると低温になる特性を持っています。この特性を活用するため、エアコンは冷房運転時にも冷媒ガスを高温にすることがあります。これにより、効率的に空気を冷やすことができるのです。

室外機には、冷媒ガスの圧力を調節するための様々な部品が搭載されています。主な部品には以下のものがあります。

コンプレッサー(圧縮機)

コンプレッサーは、冷媒ガスを圧縮する役割を持つ部品です。冷媒ガスは圧縮されることで熱が発生し温度も高まり、コンデンサーという部品に運ばれてから冷却され液体になり、減圧機へ送られます。

減圧機

減圧機(膨張弁とも呼ばれます)では、運ばれてきた液体の冷媒の圧力を下げる働きをします。低圧の冷たい気体となった冷媒は、室内機に送られて空気を冷やすのに使用されます。

熱交換器

室内機だけでなく室外機にも熱交換器が備わっています。室外機の熱交換器は、細長いアルミの板が並んでいる部分で、暖房運転時には外の空気から熱を取り込み、冷房運転時には室内の熱を外に放出します。

ファン

ファンは、室外機の網目状のカバーの奥にあるプロペラ状の部品です。このプロペラが回転することで、室外機の裏面から正面に向かって風を送り出し、熱交換器の熱を外に放出します。

これらの部品が連携して、エアコンは室内の温度を快適に保つために働いています。

冷房の仕組み

エアコンで涼しくなる仕組みは実は結構シンプルです。冷房運転を始めると、まず室内機の送風ファンがぐるぐる回って部屋の暖まった空気を取り込みます。

暖かい空気は、室内機の中の熱交換器を通過して冷媒に移されます。冷媒が熱を帯びた状態になり室外機に運ばれ、コンプレッサーで圧縮されてさらに高温になります。

高温にする理由は、熱は温度が高いところから低い方へ移動する性質があるので、外の空気よりさらに熱くすることで、熱が外部に移動して放出するためです。

熱を放出した冷媒は、次に減圧機で圧力を下げられ、さらに冷却されます。そして、この低温になった冷媒が室内機の熱交換器を通過する際に、部屋の空気を冷やし、涼しい空気を室内に送り出します。この一連のプロセスによって、エアコンは室内の空気を効率的に冷却し、快適な温度を提供します。

暖房の仕組み

暖房運転では、冷媒は冷房運転の時と逆の方向に循環します。部屋の冷たい空気を室内機で取り込んだら、まず減圧機で圧力を下げられ低温の液体になり、室外機の熱交換器へ運ばれて、今度は外の空気の熱を吸収して暖かくなります。

暖まった冷媒は、コンプレッサーで圧縮され高温の気体となり、室内機に戻されます。室内機の熱交換器に運ばれ、部屋を暖める風が出てくるという仕組みで暖房運転が動いています。

エアコンのその他の機能

エアコンには冷房や暖房以外に、除湿や送風などの機能もあります。

除湿は冷房と同じ仕組みで動きますが、空気を冷やすことを目的としている冷房とは違い、湿度を下げることが目的です。また除湿した後に再び温めてから室内に戻す「再熱除湿」という機能が備わっているエアコンもあります。再熱除湿は、湿度の下がった暖かい空気を室内に送ることが可能です。

ほかにも、送風ファンだけが稼働する「送風運転」もあります。空気の温度を変えずに循環させるだけの送風運転は、エアコン内部を乾燥させたい時や梅雨時期のどんよりした部屋の空気に流れをつくって入れ替えするのに便利です。雨が降っている時は、窓が開けられないので換気扇を回しながら送風運転をすると効率的に空気を入れ替えられるのでおすすめです。

エアコンを使っていると内部に汚れが溜まる

エアコンはどの機能も内部に室内の空気を取り込む仕組みです。

空気中に含まれるホコリはフィルターを通るときにある程度取り除かれますが、細かい汚れをすべて取り切ることはできません。

エアコンの内部はどうしても汚れが入りこみやすいため、使い続けていると汚れが蓄積されていきます。さらに、部品が組み込まれ密度も高いので、湿気も溜まりやすくカビが発生しやすい環境です。

発生したカビをそのままにして置くと、ホコリや汚れをエサにしてどんどん増殖するおそれがあります。

エアコンが汚れたまま放置するリスク

エアコン内部に汚れやカビが蓄積されていても、なかなか外側から見ることができないので気づきにくいです。エアコンの吹き出し口に黒い点々があったり、エアコンから出てくる風が臭かったりでカビの発生に気が付くケースがあります。

「エアコン内部にカビが発生している!」と気がついたときには、思った以上にカビが増殖してエアコン内部で広がっているかもしれません。

エアコンの掃除をせずに放置すると、さまざまなリスクが高くなります。

健康に悪影響が出る

エアコンから吹き出してくる風は、エアコン内部を循環してから室内に放出されます。

エアコン内部でカビが増殖していると、カビ菌が含まれた空気が部屋中に放出されてしまうのです。

カビの菌の含まれた空気を吸い続けていると、アレルギー症状など健康に悪影響が出ることがあります。特に、免疫力の低い高齢者や乳幼児がいる家庭は注意が必要です。

電気代が高くなる

エアコン内部に汚れが溜まると、効率よく空気を冷やしたり温めたりすることができなくなります。また、空気がスムーズに通れなくなり、設定した温度にするため過剰に運転するので電力を余計に消費してしまいます。

エアコンの効きが悪い、電気代が高くなってきたと感じたときは、エアコン内部が汚れていることが原因かもしれません。

エアコンの寿命が短くなる

汚れが蓄積されたままエアコンを使っていると、熱交換が上手くできないためエアコンに負荷がかかってしまいます。

エアコン内部が汚れたまま使用していると、キレイなエアコンと比べて故障しやすくなってしまいます。

1年に1回はエアコンクリーニングをしよう

エアコンは室内の空気を温めたり冷やしたりして、室内の空気を過ごしやすい温度に保ってくれます。快適に使用するためにはエアコンのメンテナンスが欠かせません。

エアコン内部は複雑な構造なため、エアコンのメンテナンスを行うにはエアコンの知識と掃除の技術を持ったプロに依頼するのがおすすめです。エアコンは構造が複雑な機器なので、正しい知識がない方がメンテナンスすると故障するリスクも高まります。

エアコンクリーニングのプロなら手の届かないエアコン内部も、分解してスッキリ洗浄してくれます。

エアコンの消費電力を抑えて快適に長く使用するために、1年に1回はエアコンクリーニングをプロに依頼しましょう。