エアコンの設定温度を下げているのに部屋が冷えなくなった、と思ったことはありませんか?エアコンの効きが悪くなると故障かな?と思うかたも多いですが、原因はほかにも考えられます。
修理業者に依頼する必要がある場合、本格的にエアコンを使うシーズンが近くなると、予約がいっぱいで修理してもらえないこともあるんです。
この記事では、エアコンが冷えない原因や効きが悪いときのチェックポイント、自分でできる解決方法も解説します。真夏にエアコンの効きが悪く部屋が冷えない!と困らないためにぜひ参考にしてください。
エアコンが冷えない原因とは

エアコンが冷えない原因は、エアコンのお手入れ不足や室外機が置かれている場所などさまざまです。エアコンの効きが悪くなった主な原因を5つ解説します。
エアコンの内部にほこりや汚れが溜まっている
エアコンは室内の空気を取り込み温めたり冷やしたりして室内に戻す仕組みです。冷房運転では、エアコン内部と室外機にある熱交換器で熱を取り除き、冷たい空気にして室内に戻します。
しかし、エアコンの内部にほこりが溜まっていると、空気の流れをさえぎるためエアコンの効きが悪くなります。使用頻度の高いかたや、長期間エアコンの掃除をしていないというかたは、汚れが溜まっている可能性があります。
「自動お掃除付きエアコンだから掃除しなくても大丈夫!」というわけではありません。お掃除機能付きエアコンは、フィルターの表面のほこりは取り除いてくれますが、熱交換器の部分や送風ファン、ドレンパン周りなどのエアコン内部の汚れは掃除していません。
エアコン室外機の周りに障害物がある
エアコンで取り込まれた室内の熱は、室外機の送風ファンで外に放出しています。室外機から熱風が出るのは、室内の熱い空気が室外機から捨てられているからです。
しかし、室外機の周りに障害物があると風通しの道がうまく確保できず、機能が低下します。壁や鉢植え、室外機を保護するための室外機用カバーなど、冷却効率の妨げになっている場合もあります。エアコンの機能を十分に引き出すために、室外機の周りには障害物を置かず熱が放出しやすい環境を整えることがポイントです。
室外機に直射日光が当たっている
室外機は、高温から低温に移動する熱の性質を利用し、室内の熱い空気を外に逃がしています。室内から取り込んだ熱い空気は、室外機にある熱交換器で冷やされます。この温度差を利用し、熱をスムーズに放出しているのです。
しかし、直射日光にさらされた室外機は内部の温度が上昇します。そのため、室内からの温度差がつきにくくなり、効率的な熱の排出ができません。冷却効率が下がるだけでなく電気が余計に消費され、電気代が高くなってしまう場合もあります。
エアコンの冷媒ガスが漏れている
エアコンが効かないのは、冷媒ガスが漏れているからかもしれません。冷媒ガスは、室内機と室外機をつなぐ配管の間にあります。
冷媒ガスによって、熱を高い方から低い方へ移動させ室温をコントロールしています。しかし、冷媒ガスの量が減ると温度調節がしにくくなり、エアコンが効きにくくなるのです。
経年劣化や配管の取り付け不良で漏れているケースが多いですが、何かの拍子に漏れてしまうこともあります。冷媒ガス漏れは、エアコン本体か室外機で起こります。エアコン内部や室外機から伸びるホースに霜がついてるなら、冷却ガスが漏れている可能性があります。
エアコンが故障している
エアコンから異音や水漏れがすると、故障を疑う方も多くいるでしょう。しかし、エアコンの異音はフィルターのほこりが原因かもしれません。フィルターを長い間掃除していないと、ほこりがびっしりつきエアコンの空気の流れを邪魔します。ほこりによって作動を妨げられたエアコンは、強運転されるため異音がする場合があります。
また、水漏れは室外機側にあるドレンホースをチェックしてみましょう。ドレンホースの口が鉢植えや落ち葉などで塞がれたり、口が上を向いていたりしていませんか?エアコン内で空気が冷やされできた結露は、ドレンホースを通じて室外へ排出されます。ドレンホースから排出できないと、行き場をなくした水がエアコン本体から出ることもあります。
エアコンの効きが悪い時のチェックポイント

エアコンの効きが悪くなったら、まず原因がどこにあるかチェックしましょう。チェックポイントを紹介しますのでぜひ参考にしてください。
エアコンのフィルター
エアコン本体のパネルを開けるとフィルターが設置されています。フィルターは内部にほこりが入るのを防ぎます。しかし、フィルターに汚れが溜まると、空気が通りにくくなるためエアコンの稼働効率が落ちるのです。フィルターのほこりを掃除機で吸ったり、水洗いをしたりして、ほこりを取り除いてください。
エアコンの吹き出し口
長年掃除していないエアコンは、吹き出し口にカビが生えていることも。吹き出し口のカビがあるということは、エアコンの内部もすでにカビだらけになっている可能性もあります。繁殖したカビは、エアコンから出る風と一緒に室内に放出されてしまうのです。
エアコン内部に繁殖したカビは自分で掃除するのはむずかしいので、クリーニング業者に依頼しましょう。
エアコン室外機の周囲
室外機の周辺に、空気の流れを妨げる鉢植えや、壁などの障害物がないかチェックしてください。もし、障害物のそばにしか設置できない!という場合は、5cm以上あけた場所に設置し、反対側は20cm以上空間をつくるのがポイント。側面も同様に空間をつくり、室外機からの空気が流れるよう少なくとも2方向は解放しましょう。
また、室外機に汚れが溜まっていてもエアコンの効率が悪くなります。長年使用したエアコンは室外機の内部に汚れが溜まっている場合もあるので、ブラシなどで汚れを掻き出したり、優しくこすり洗い流したりしてください。
室内機や室外機を確認しても問題ないとき
エアコン本体や室外機に問題がないなら、故障かもしれません。エアコンの寿命は一般的に10年ほどといわれています。経年劣化したエアコンは、部品がなく修理できないこともあります。
エアコンの効きが悪い時の解決方法

エアコンの効きが悪い時の解決方法を紹介します。自分で試せる方法もあるので、ぜひ参考にしてください。
フィルターや周囲を自分で掃除する
エアコンのフィルターは自分でも掃除できるので、2週間に一度はお手入れしましょう。その際に本体の周りも一緒に掃除してください。また、室内の掃除や換気もフィルターに汚れが溜まるのを防ぐのに効果的です。
エアコン内部はプロにクリーニングを依頼する
エアコンの内部を掃除するには、エアコンを分解しなければいけません。エアコンの内部は複雑な構造になっており、自分で分解すると元に戻せず故障してしまう可能性があります。そのため、エアコン内部の掃除はプロに依頼するのがおすすめです。
奥行きがある送風ファンや羽根も、専用の高圧洗浄機や洗浄液を使い掃除します。自分でもエアコン専用の掃除器具やクリーナーで掃除できますが、専門的な知識を持ったプロならより効果的な方法で掃除します。
故障している箇所の修理を依頼する
エアコンクリーニングしても直らないなら、エアコンが故障しているのかも知れません。その場合、自分で故障を修理しようとすると返って悪化してしまう可能性が高いので、エアコンを購入した家電販売店やメーカー、エアコン修理専門の業者に依頼しましょう。冷媒ガスが漏れている場合も、エアコンの構造の知識やスキルがないとガスを充填するのは難しいので、ぜひプロに修理を依頼してください。
エアコンを買い換える
エアコンを修理しても直らない、修理費用が思ったよりも高額だったという場合は、エアコンの買い替えも検討してください。最近のエアコンは省エネ力が高いものが多く、買い替えの費用がかかってもランニングコストが抑えられるのでおすすめです。
まずはエアコンクリーニングを試してみよう

何年も掃除していない内部に汚れの溜まったエアコンは、空気の循環をさえぎるため冷房効率が下がります。そのため、エアコンをクリーニングするだけでエアコンが効くようになることもあります。
また、エアコンの内部がキレイになると、スムーズに空気が流れるのでエアコンの効率が高まり電気代を抑える効果も期待できるんです。エアコンへの負担を抑え故障しにくくするためにも、1年に1度はプロにエアコンクリーニングをしてもらいましょう。