エアコンファンを自分で掃除したい!家にあるもので掃除する方法・注意点を徹底解説

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エアコンの吹き出し口をのぞくと見える、クルクルと回る部品に黒っぽい汚れがついているということはないでしょうか?この部品の汚れを掃除したいけれど、正しい掃除方法を知らない場合があります。

エアコンの吹き出し口から内部をのぞくと見えるのは「送風ファン」という部品です。送風ファンは構造上汚れが溜まりやすい箇所ですが、掃除したくても手前にあるルーバーに邪魔されなかなか手が届きません。ですが汚れたままエアコンを使用すると、送風ファンに付着した汚れが風に乗って部屋中に飛び散るため、空気と一緒に吸い込んでしまう可能性もあります。

この記事では、送風ファンが汚れる原因と、身近な道具でできる掃除方法を解説します。自分で掃除するのはなんだか難しそう…と思ってなかなか手が出せない方も、ぜひ小まめに送風ファンの汚れを取り除きましょう。

エアコンの送風ファンとは

エアコンの送風ファンは吹き出し口の奥にあります。吹き出し口の中をのぞくと見える筒状のパーツが送風ファンです。「クロスフローファン」とも呼ばれ、勢いよく回転することで空気を効率的に送風します。

送風ファンは空気を循環させる役割

送風ファンの役割は室内の空気を循環させることです。室内の空気をエアコン内部に取り込み、熱交換器で温度調節したあと吹き出し口から部屋に戻します。送風ファンの羽は遠くまで風が行き渡るように水平に配置されています。扇風機のようなプロペラ状と違い、まっすぐに風を送り出せることが特徴です。

送風ファンは大きさや回転速度によって風量が変わります。送風ファンが大きい程、より多くの空気を取り込み送風します。エアコンの運転中は空気をエアコン内部に取り込む際も、温度調整された空気を吐き出す際にも、送風ファンを必ず通過しているのです。

送風ファンが汚れる原因

送風ファンが汚れる原因はいくつかあります。原因を詳しく解説していきます。

室内の空気が汚れている

エアコンは室内の空気を吸い込み、設定された温度に冷やす・もしくは温めてから吐き出す仕組みです。このときに部屋の空気が汚れていると、吸い込んだときに送風ファンにも汚れが付着してしまい、徐々に蓄積されていきます。

例えば、ダイニングキッチンの近くにあるエアコンは、料理の際に空気中に放出された油も吸い込んでしまう場合があります。エアコン運転すると室内の空気は必ず送風ファンを通るため、さまざまな汚れが蓄積されてしまうのです。

フィルターで汚れを取りきれていない

エアコンのフィルターは細かい網目状になっており、空気中の汚れを取り除く役割をしています。しかし、フィルターの網目よりも小さい汚れはフィルターを通過してしまいます。そのためフィルターで汚れを完全に除去するのは難しく、一部の汚れはエアコン内部に入ってしまうのです。

エアコン内部に入り込んだ汚れがフィルターに溜まると、空気の通り道が塞がれるため効率的に稼働できず、余計な電力を消費します。また、汚れが溜まったフィルターはさらに汚れを吸着します。フィルターを掃除せず汚れを貯め込んでしまうと、だんだんエアコン内部にも汚れが侵入してしまうのです。

エアコン内部でカビや菌が繁殖している

長期間掃除されていないエアコンの内部では、カビが増殖することもあります。冷房や除湿運転中は、温かい空気が熱交換器で冷却されるため、温度差が生じ結露が発生します。この結露水は、ドレンパンに集められホースから屋外に排出されますが、一部の水分はそのまま残ってしまうのです。

そのためエアコン内部は湿度が高くなりやすく、汚れも蓄積されやすくなりカビが増殖しやすい環境となります。エアコン内部で繁殖したカビは空気中にも含まれるので、風の通り道になる送風ファンにもカビ菌が付着し繁殖してしまうのです。

送風ファンを掃除しないとどうなる?

エアコン内部を流れる空気は必ず送風ファンを通過する仕組みになっています。送風ファンが汚れていると、通過する空気も汚れるだけでなく他にもさまざまな悪影響が起こります。

健康被害が起きる

送風ファンやエアコン内部でカビなどの菌が繁殖すると、エアコンから吐き出された空気にも菌が含まれます。放出されたカビ菌を日常的に吸い込むと、アレルギー症状などの健康被害が出る恐れがあります。特に免疫力の弱い乳幼児やお年寄りがいるご家庭は注意が必要です。

異音がする

エアコンは室内から空気を吸い込み、設定温度に調節してからまた室内に吐き出します。その際、空気は送風ファンを必ず通過するため、空気中の汚れが蓄積されてしまいます。汚れが蓄積されると、回転が妨げられて異音がする場合があるのです。

悪臭がする

エアコンを運転した時に風から悪臭を感じてしまう場合、エアコン内部に溜まった汚れなどが原因の一つと考えられます。エアコンを運転する度に、送風ファンで発生したカビは空気と一緒に部屋に吐き出されます。エアコン内部にたばこやペットの臭いが溜まっていると、エアコンの風に混ざり室内に放出され、悪臭として感じるでしょう。

電気代が高くなる

カビやホコリが蓄積されたエアコンは空気が循環しにくくなり、送風ファンの回転も邪魔します。スムーズに運転できなくなるため、設定した温度にするのに必要以上に電気を消費してしまい、電気代が高くなってしまうこともあります。

エアコンの効きが悪くなる

送風ファンに汚れが溜まると、風の通り道が狭くなります。送風ファンにこびりついた汚れのせいで風の流れが悪くなり、風の流れにムラができるため、エアコンの機能が低下するのです。

エアコン内部に入り込んだ汚れは、水平に配置されている送風ファンのプロペラの先端や側面にも付着します。長期間掃除されてない送風ファンは、汚れが積み重なると回転する際に余計な負担がかかります。スムーズに風が送り出せなくなるため、キレイな状態の送風ファンに比べエアコンの効きが悪くなります。

故障の原因になる

長期間汚れが溜まったままの状態でエアコンを使用していると、風が通りにくい中で運転し続けるので、エアコン本体のさまざまな箇所に負担がかかります。フィルターで一定量のホコリを取り除きますが、送風ファンは故障の原因となる汚れやホコリが蓄積されやすい箇所です。キレイな状態のエアコンよりも故障するリスクが高まります。

送風ファンを掃除する際の注意点

送風ファンは定期的な掃除が必要な部品です。汚れたまま使用すると、健康被害や故障に繋がる恐れがあります。送風ファンを掃除する際には注意すべき点があるので、詳しく解説していきます。

無理に分解しない

送風ファンは吹き出し口の奥に設置されているため、なかなか手が届きません。掃除するにはエアコンを分解する必要があります。しかしエアコン内部の専門的な知識や、適切に掃除する技術がない方が無理に分解すると、元に戻せなくなり故障させてしまう恐れがあります。送風ファンを自分で掃除したいと思っても、無理に分解せずに目で見える・手が届く範囲のみ掃除するようにしましょう。

市販の消臭スプレーやカビ取り剤を使用しない

エアコンから出る風のニオイが気になるからといって、消臭スプレーや塩素系のカビ取り剤をエアコンに噴射するのは避けましょう。エアコン内に液がこびりつき、水分が蒸発するとべたつきが発生します。ほこりが付着しやすくなるので、さらに汚れることもあります。

塩素系の洗剤はカビを除去するのに使用されますが、強いニオイがエアコンに染みついてしまう場合があります。エアコンを使用する度に、風に含まれるニオイが不快に感じるようになるかも知れません。

また、エアコン内部には電源基盤や電気配線など、さまざまな電装部品があります。電装部品にスプレーの液が掛かってしまうと故障や、場合によっては漏電して発火する可能性もあり大変危険です。

エアコン掃除用スプレーの使用方法を守る

市販のエアコンの掃除スプレーの中には、送風ファンの掃除スプレーも販売されています。市販の掃除スプレーは、自分でも簡単に使用できるのが特徴です。液だれしづらいムース状の泡がアルミファンに密着しこびりついた汚れを除去し、仕上げ用リンスで洗い流すタイプなどもあります。

しかし、市販の掃除スプレーでは送風ファンの表面上しか掃除できないため、エアコン内部に溜まった汚れを除去することはできません。またエアコンの周りをきちんと養生してから使用しないと、壁や床などに洗浄剤が垂れた場合に室内が汚れます。

掃除スプレー洗浄剤をエアコン内からすべて取り除くのは難しいため、残った洗浄剤に汚れが付きかえって汚れが溜まることもあります。また正しい使い方を理解して守らないとエアコンの故障の原因にもなります。

送風ファンの掃除手順

送風ファンの掃除は構造上、手が届きにくいので分解する必要があります。しかし、エアコン内部の知識や掃除の技術がない方が分解すると、元に戻せなくなったり、触ってはいけない部分を触ってしまい故障したりする危険性があります。

エアコンを分解する、掃除スプレー洗浄剤を使用しまわりの壁や家具が汚れないように養生するといった手間のかかる作業をせずに、簡単に送風ファンを掃除する方法を紹介します。

送風ファンの掃除は必ずエアコンの電源を切り、電源プラグを抜いてから行いましょう。電源を切らずに掃除すると感電などの怪我の恐れがあります。また、掃除中にルーバーが作動し破損・怪我をする場合もあるので注意が必要です。

ルーバーはエアコンが停止すると閉じますが、電源プラグを抜けば手で上下に動かせます。ルーバーを開ける際には、故障しないようにゆっくりと動かしてください。ルーバーが動かせない場合、無理に動かすと通電している部品の故障の原因にも繋がるので注意しましょう。

送風ファンの掃除手順①お掃除棒を作る

送風ファンは手が届きにくい位置にある部品ですが、身近な材料で作れるお掃除棒を使うことで簡単にお手入れできます。材料は、まだ割っていない状態の割り箸と輪ゴム、ティッシュまたはキッチンペーパーだけです。作り方はとてもシンプルで、割り箸の間にキッチンペーパーまたはティッシュペーパーを挟み、反対側に向かってクルクルと丸め、最後に巻きつけた部分がほどけないよう輪ゴムで止めたら完成です。お掃除棒は100均などでも購入できるのでぜひお試しください。

送風ファンの掃除手順②ルーバーの間から掃除する

エアコンの吹き出し口には風の向きを変えるために、ルーバーという部品が一定の間隔で設置されています。お掃除棒なら細く長いためルーバーの間から差し込み掃除できます。ファンの羽根と羽根の隙間にお掃除棒を差し込み、やさしく汚れを取り除きましょう。

取れない汚れはプロにお任せ

フィルターを定期的に洗浄する、室内のホコリや汚れを掃除することでエアコン内部に汚れが溜まりにくくなります。しかしいくら気を付けていても、すべての汚れがエアコン内部に侵入するのを防ぐことはできません。

汚れが溜まったエアコンは、分解してきれいに掃除する必要があります。構造を理解して作業をする必要があるので知識のない状態で汚れを取り除くのは難しいため、年に一度は専門的な知識と技術を持ったプロに依頼し、エアコン内部をきれいに掃除してもらうとよいでしょう。

業者によっては、送風ファンを取り外し洗浄してくれます。プロなら、自分では取れないエアコン内部に溜まったホコリやカビもキレイに取り除いてくれます。